グレコの妹、しまぐれこ、のお話し。
グレコお姉さんが、他家に引き取られ、
ワシらもちょっぴりさみしくなりました。
一番の仲良し、しまぐれこちゃんも、グレコお姉さんに会いたかったのかにゃ、
“ねちゃんの館” の階段下から、あまし動かなくなりました。
まだまだ寒い二月のころ、ねちゃんは、こっそり毛布を持ってきてくれました。
そして、ワシらに言いました。
「ねちゃんちの子になる?」
そーなんです。ねちゃんは、ずーっと考えてたらしい。
ワシらの保護。
だけんど、うしお君は、
ニンゲンとポカポカ寝るよりは、自由なお外がいいって、
ねちゃんにゆったんだって。
だから、ねちゃんは、ワシらの意思に任せるって。
自由なお外か、まんまと寝床を約束された、ねちゃんの館か。
どっちか好きな方を選びなさいって。
両方はないよって。
そーだにゃ。
両方は、ないよ。
そんな都合のいいところなんて、ないよ。
ワシが、のんびり考えてるうち、
しまぐれこ、改め、しまこちゃんと、
仲良しの、くろこちゃんは、
同じ日に “ねちゃんの館” の住人になりました。
お外で、まんまを食べさせてもらいはじめてから、
一年と四か月、たってました。
なごり雪の降った、その年の春はたいそう寒くて、
ここ出雲では、三月九日、なんと大雪!
2010年、弥生三月おひな様。三月二十日
春分の日の出来事でした。