ギリシャなロシアンブルー、グレコのお話し。
濃い灰色の、キレイなお姉さんがいました。
ワシらの近所の、マドンナにゃん。
たおやかで、やさしくて、ニンゲンからもとっても可愛がられる、
それはそれは美しいネコさまにゃ。
しなやかな足取りで、よく草むらをお散歩されてました。
そう遠くには行かないはずなのに、
そのお姉さん、時々ふっと、いなくなるんだにゃ。
しばらくして帰ってくると、いつもいい匂いがしてました、鰹節の香り。
そのうち、そのお姉さんの姉妹にゃん達も、一緒にお散歩でかけるようになりました。
どうやらどこかに、いいまんま場を見つけたらしい。
ワシは聞きました。
『ついて行っても、いいですにゃ?』
にっこり笑ったお姉さんは、
「どうぞ、あたしの後を、ついておいでなさい」
そーゆってくれました。
「あたしはそこでは、グレコ、って呼ばれてて、大家にゃんって方がいます」
?大家にゃん???
「上からこちらをジーっと見ててね、ねちゃんの館の大家さんみたい」
?ねちゃんの館??
なにやら、元締めみたいなボスにゃんさんがいるご様子。
ワシはこわごわ、そーっとついてゆきました。
もしかしてそこが、おじぃにゃんが語ってた、桃源郷?
にゃ~とぴあ?なのかにゃ?
グレコお姉さんと、その姉妹にゃんさん達は、
たいそううれしそうに、たのしそうに、
ねちゃんの館へむかってゆきました。
ワシ、まだこわくて、遠くからそーっと、様子を見るばかり。
田んぼの中の、ポツンと一軒家みたいな、小さなアパート。
ホントに、こんなところに、まんま場があるのかなぁ?
するとすぐ、
二階のカーテンが、ふらりと揺れて、
女のひとが階段を下りてきました。
その手には、まんま袋が!
きっと、この人が “ねちゃん” さんだにゃ!!
にゃにゃーん!
カリポリカリポリんまんまんまんま♪
階段裏にみんな集合して、おまんまタイムのご様子!
勇気を出して、一歩、また一歩、そろ~りそろ~り、
近寄って・・・くんくんくん、おいしそうなまんまのニホヒをかいだのにゃ。
やさしいグレコお姉さんが、場所をゆずってくれて、
ワシを “ねちゃん” に「この子もヨロシクね」と紹介してくれました。
<m(__)m>初めまして、ねちゃんさん、「ぅびゃ!」
その日からワシは、びゃう太郎、と名乗ることになりました。
まいにちまいにち、ねちゃんの館の、階段下までご出勤しましたにゃ。
グレコお姉さん、しまぐれこちゃん、くろこちゃん、ちびこちゃん、
うしお君。
やがて、グレコお姉さんは、近所のネコ好きさんに引き取られてゆきました。
あたたかい寝床と、たくさんの愛情と、
まんまがたらふく食べられる、にゃ~とぴあ別館へ。