ウチの三成との出会い。
2014年の夏、“にゃ~とぴあ” は遂に、ちっちゃな庭付き一戸建てに遷都することに決定しました。
ねちゃんが出雲に来てから10年。
美久我神社さんにお礼と感謝を伝え、神西湖の近くに、
新しい “にゃ~とぴあ” を創りました。
大家さんは、はいび姐さん。
ねちゃんは用務員さん。
ワシ、びゃう太郎は、海賊船の上から、いつでも遠眼鏡で仲間を見守ってるのにゃ。
ここ神西湖畔は、素戔嗚尊さんの末娘『スセリ姫』さんがお産まれになった地で、
ねちゃんはいつも、
「昔ぁ末子相続じゃったけんのぉ、須勢理姫さんは素戔嗚さんの正当な後継者で、大国主さんの正妻で、今で言やぁ女天皇で皇后さんじゃけぇ。」ってゆってます。
ここらへんのクダリも、ゆくゆくねちゃんがじっくり語りますにゃ。
2016年の4月7日、春の嵐が、それはそれは激しく渦を巻いて吹きスサびました。
ねちゃんはお庭が心配で、ずーっと木花を見つめてました。
姫りんごの花が咲きはじめているころで、お花が心配だったのにゃ。
その翌日、小さな黒いカタマリが、姫りんごの根本にうずくまってました。
寝ているのか、お亡くなりなてるのか、
にゃ~とぴあの住人も、こぞって窓辺に寄ってきました。
しばらくして、庭の水たまりをピチピチ飲んだ黒いカタマリは、
ふと、視線にきづいたのか、
たくさんの猫たちとニンゲンに見つめられて、怖気づいたのか、
ヨタヨタと庭から道端へ歩いて行こうとしてました。
腰砕けで、びっこをひきながら。
よくよく様子を見てみると、右後ろ足の肉が裂け、白い骨が丸見え。
前の日の大風で、どっかでケガしちゃったのかにゃ、
後ろをふり返りふり返り、ガタンゴトンびっこをひきながら、
ゆっくりゆっくり、お庭から遠ざかってゆきました。
はいび姐さん、パトラちゃん、りんご姫ちゃん、ちのちのちゃん、
しまこちゃん、くろこちゃん、ちびこちゃん、あずきちゃん、
みんなが窓辺で心配そうに見送ってました。
ねちゃんも、そーっと、見送りました。
またまんま食べに帰っておいでね、って祈りながら。
ねちゃんはよーく、わかってました。
いま外に出て追いかけると、かえって警戒してしまって、不自由な足で一所懸命逃げて
しまう。その子の体力をうばってしまう。
そうすると弱って夜が越せないかもしれない。
なので、待つ。
また帰ってきてくれるのを待つ。
そしてみんなと約束しました。
次のにゃ~とぴあの住人は、この黒い細い弱々しい子だねって。
それが、みつなり君との運命の出会いとなりました。